【 概 要 】−石尊神社は応永5年(1398)に創建した神社で、古くから雨乞いに御利益があるとして信仰があった雨乞岳と関係がありました。日照りが続くと住民が山頂まで登拝し雨乞い儀式を行ったとされ、昭和初期まで続けられました。石尊神社は遥拝所だったものが神社として整備されたものと思われます。境内には水と関係が深い不動明王の石仏が建立され神仏習合の形態が採られていました。中世に入ると周辺の領主となった武田家、江戸時代には幕府から崇敬庇護され、社領の寄進や安堵、社殿の造営、営繕工事などが行われました。文政12年(1829)、甲州相撲目代名取弥惣の書付を賜り、例祭で相撲が奉納され多くの参拝者が訪れたと伝えられ、現在では珍しくなった土俵が境内に設けられています。境内は広大で、参道には苔むした石畳と石段、推定樹齢250〜300年のアカマツの古木(北社市指定天然記念物)が歴史を感じさせてくれます。社殿も江戸時代末期に再建された古建築物で、本殿は一間社流造、柿葺、正面に軒唐破風向拝が付き、拝殿は入母屋、銅板葺、格天井、本殿拝殿共に立川流の宮大工が手掛けたものとされ昭和48年に北社市指定文化財に指定されています。
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